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投稿者: TakumaN Library
ある1つの分野を極めると他の分野にもそのスキルを応用して容易に習得できるようになることを転移学習という。例えば、軟式テニス経験者は硬式テニスや卓球での飲み込みが平均よりも早くなることも転移学習である。これは軟式テニスも硬式テニスも卓球もラケットでボールを打ち返すという動作が同じなので、すでに習得したスキルをそのまま応用して使うことができるからである。
このように近い転移であれば学習にかかる時間を短縮することができるが、遠い転移の場合はほとんど学習効率に影響がないということがリバプール大学の研究により分かっている。たとえば、「チェスが上手い」と「論理能力が高い」、「音楽を学ぶ」と「認知機能の向上」、「筋トレ」と「ワーキングメモリの向上」といった遠い転移は起こらない。なので、チェスが強い人がビジネスの現場で論理能力を駆使して即戦力として活躍できるということにはならない。
ただし、ワーキングメモリを鍛えるとあらゆる分野の学習時間を短縮することは可能。ワーキングメモリは思考するときに必要な情報を一時的に保持しておくための記憶システムである。たとえば、1+2+3を計算するときにそれぞれの数字を頭に一時的に保持していなければ計算できないが、これはワーキングメモリによって行われている。なので、ワーキングメモリを鍛えると何かを学習する際にいろんな情報をまとめて頭に取り込めるので学習効率が良くなるというわけである。
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